2024年6月 代表取締役より |
2013年の夏から株式会社ティーエーネットワークに入社するまで、多くの転職を繰り返しました。職を転々としたつもりはありませんが、国際協力に関わると案件の終わるタイミングで職も場所も変わっていったということなのです。私が大学を卒業した1992年3月はまだバブル経済の崩壊直前で、就職内定を何件ももらえる時代でした。仙台の田舎から就職面接のために上京すれば、新幹線代金、宿泊費はもちろんのこと、お小遣いまでもらい夜は六本木のクラブに連れていかれ、学生でありながら接待されるというとんでもない時代でした。そんななか国際協力の世界に飛び込んだ私は青年海外協力隊員として弊社取締役会長である谷保氏と同時期にドミニカ共和国で活動していました。
私の国際協力はそこから始まりました。当時は青少年活動という仕事でドミニカ共和国の東部福祉慈善団体というNGOに派遣されました。しかし、谷保氏との出会いはなく実際のコンタクトはそれから20年もあとになります。
もともと特別支援教育を大学で専攻していたので、協力隊時代は聴覚障害児を相手に活動しました。協力隊の任期を終え帰国した私は言語聴覚士として日本で仕事を探しました。しかし、帰国した1996年には日本では言語聴覚士の資格は認知されておらず、医療の専門国家資格はまだ制定されていませんでした。日本中の協力隊の知人を訪ね歩き、縁あって、福岡の病院で言語聴覚士として働き始めました。その後、正式に言語聴覚士国家試験が実施され、私もめでたく国家資格を持つ医療の専門職なりました。
医療機関での業務を10年ほど続け、言語聴覚士のスーパーバイザーも務めるようになりました。2003年から3年間コスタリカの障害者支援プログラムオフィサーとして2度目の海外赴任に行きました。今度は家族での派遣となり、家族が増え4人家族になって帰国となりました。コスタリカの業務でご一緒させていただいた日本のリハビリテーション界のパイオニアである上田敏先生の思想に触れ、全体を俯瞰するマクロの視点の重要性を痛感し、2007年37歳にして九州大学大学院医学系学府医療経営管理学専攻に入学し、3年後医療安全管理学を修了、社会開発・国際協力と公衆衛生学修士号を取得しました。ここでのマネジメントの学びは私を大きく飛躍させてくれたと実感しています。一生を通じて学びの機会があり、常に感謝の気持ちを忘れてはならないことも学びました。
大学院終了後は再度コスタリカの障害者支援プロジェクトにチームリーダーとして従事しました。その後中国北京国立リハビリテーションセンタープロジェクトを経て、就活のなかで谷保会長と運命の出会いをしたのです。あれから11年が経ち、弊社で多くの案件で様々な経験を積むことができました。多くの失敗も経験しましたが、それも教訓と受け止め代表取締役として案件に従事するだけでなく、後進の育成にも注力すべきと思います。
めまぐるしく変化する世界情勢、流行の変化に対して、経験のみに頼らず、新しいものを積極的に取り入れていく姿勢を大事にしたいです。私自身は「愛と平和(ラヴ&ピース)」を信条とし、若い社員と一丸となり弊社を通じて世界の愛と平和に貢献したいです。
株式会社 ティーエーネットワーキング
代表取締役 佐々木 隆典