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アフガニスタン国 保健医療セクタープログラム評価 (2006年~2007年, JICA)
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キーワード : プログラム評価、組織強化・人材育成の強み
2001年のタリバン政権崩壊後、我が国は、いち早く東京会議を主催し(2002年)、国際社会の中でもイニシアティブを採って同国における包括的な和平プロセスの支援を開始しました。アフガニスタン国は、紛争後に更に深刻な障害を受けて社会基盤をほとんど失っていることを表す意味で、Post-Devastationの国とまでいわれています。JICAは、同国において、緒方前理事長の総理特別代表としての東京会議直前の調査実施以降、特に人間の安全保障の観点から保健医療分野の支援を重点の一つとして選択し、多くの専門家派遣や技術協力プロジェクトを実施してきました。
本評価は、JICAの「保健医療セクターに対する協力実績についてレビュー」、「今後の協力に資する教訓の抽出」、「新規案件も考慮した今後のプログラムのあり方への提言」を目的として実施され、当社は「プログラム評価分析」と「協力実績分析」担当の調査員を派遣しました。本評価手法の特徴は、個別の協力をそれぞれ評価してその結果を統合的に取りまとめるのでなく、日本の保健医療セクターにかかわる全ての協力の戦略性を分析し、JICA事業のアフガニスタン国への貢献を総合的に判断することでした。
結果は、世界銀行、EC及びUSAID等の主要援助機関が、全国にすばやく展開できるNGOを活用して保健医療サービスの急速な面的拡大を目指して活動しているのに対して、JICAは組織強化や人材育成を中心にして保健省のオーナーシップや自立発展性に貢献した支援を行っていることが明らかになりました。本評価結果は、プログラム形成に向けた提言として取りまとめられ、ポストコンフリクトの国に対する支援への配慮等に活用されました。
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