調査業務

モンゴル国 特別支援教育にかかる情報収集・確認調査
 (2013年, JICA)


キーワード : 障害者の社会参加支援、特別支援教育





モンゴル国は、1990年以降民主主義体制に移行しましたが、それ以前には旧ソビエトの影響を受け、国民は労働力として社会に貢献することを重視する社会主義政策が続きました。その中で、障害者は社会的保護の対象とされ、地域の学校に通う権利や成人障害者の自己決定権は軽視される傾向が続きましたが、国連障害者の権利条約の批准以降、新しい障害者支援の取り組みが進んでいます。

こうした背景のもと、同国の特別支援教育に関する協力が我が国に要請されましたが、同分野や社会福祉分野への我が国の協力実績はまだ少ないことから、同国の現状把握及び我が国の支援リソースの情報収集を目的に、本調査が実施されました。

当社は、「社会福祉分野」担当専門家を派遣し、保健省、教育省、労働省、人間開発社会保障省等の関連省庁や、NGO等への調査を通じて、同国の公的サービスの現状と課題を取りまとめました。法制度、特別学校の施設、教員の能力等、どれもが不十分であり、障害者の権利条約、子どもの権利条約、ミレニアム開発目標(MDGs)の「全ての子どもに初等教育を」、の実現には時間がかかりそうです。本調査の結果を踏まえ、同国の特別支援教育分野における我が国の今後の支援の方向性も取りまとめられました。